使わない施設やサービスが多い。管理費が無駄では?

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マンションには区分された専有部分・専用設備と、管理人室や廊下、階段、エントランスホール、エレベーター、受電設備、共視聴用TVアンテナといった共用部分・共用設備があります。

共用部分には、上記の付随する必要最低限のものに加えて、集会室やオーナーズラウンジ、ゲストルームといった共用施設、宅配ボックスや防災設備、カメラ付きインターホン設備などが付加されるのが一般的になっています。

しかし、これらの付加施設・設備は稼働や維持管理に費用がかかるので、使いそうにない買い手から見れば「管理費等が高くなる」と歓迎しない向きも少なくありません。

また、マンションの管理サービスで面は、管理人と別にコンシェルジュや警備員を配置している例が見られます。これらのサービスはなくてもいいのではないかとか、あるに越したことはないが、管理費が無駄にならないかといった疑問を抱く買い手があります。


今日は、共用施設と管理サービスの意義について考えてみました。


●使い切れないほどのメニューでも

携帯電話でもパソコンでも同じですが、たくさんの機能が用意されていても、その過半は使いこなせないというか、不要なものが多いというか、「これとこれだけあれば十分」などと、普段使いしている機能で満足している人が大半ではないか、そんな気もします。

高級ホテルには、必ずコンシェルジュデスクがあって誰かが待機しています。利用する人はどのくらいいるのでしょうか?

百貨店にも来店客をサポートする買い物コンシェルジュという職種があると聞いたことがあります。子供の託児所をつくり、客がゆっくり買い物を楽しむことができるように保育士やベビーシッターを配置している例もあるようです。

しかし、利用している人の割合はきっと少ないはずです。僅かな人が、困ったとき初めて、「これがあって良かった」と感動する、あるいは感謝する程度なのではないかと思います。

利用者は買い物客の0.1%以下では?そんな想像をします。しかし、僅か0.1%しかいない利用者のためであっても、きめ細やかなサービスを用意することによって百貨店の価値が上がると考えられているのでしょう。


●マンションの共用施設と管理サービスの価値

マンション建設のプランナー(デベロッパーの企画部門)が考え、提供する共用施設と管理サービスにも同じようなことが言えるのではないでしょうか?

新築マンションの建築概要を見ていると、「集会室」がないマンションも少なくない昨今ですが、実は一番必要なものかもしれません。

大勢が集まる年一度の定期総会は、収容人数の関係から自治体のホールなどを借りるにしても、毎月のように実施される役員会のためにはマンション内に「集会室」があった方が便利ですし、費用も少なくすみます。

集会室は、コミュニティルームやキッズルームなどとも呼ばれ、ママと幼児の集いの場所や雨の日の幼児用の遊技場としても使われます。パーティや各種イベント開催に利用されるケースも多いようです。

人気があるのは「ゲストルーム」で、親兄弟を招いたときの寝室として使われます。ゲストルームは、ホテルのスイートルームか、スーペリアスタンダード級の立派なものが多いようです。

ゲストルームは旅館業法に抵触しないような運営が求められるのだそうで、宿泊できる人の資格(所有者との続柄)とか、利用料(実費程度)、連泊限度などが管理規約で定められています。

人気があると書きましたが、物件によって差があるようで、大型連休以外は週末でも空いているマンションもあれば、予約が半年以上先まで一杯という人気マンションもあると聞きます。

部屋数も少なく、狭いマンションのこと、呼ぶ方も来る方も気楽に訪問できるゲストルームの存在は有り難い施設と思います。

サービス面では、「コンシェルジュ」がタクシーの手配や長期旅行の際の窓の開け閉め、家事代行やハウスクリーニング業者への連絡などを所有者の秘書代わりにやってくれるというもので、パソコンが苦手な人や多忙な人には重宝です。

こうした施設やサービスの中には、「自分は利用しないから必要がないし、管理費が高くなるだろうから興味ない」という人がありますが、そう割り切って良いものでしょうか?



●共用施設と管理サービスが管理費に影響する度合いは低い

共用施設をひとつ増やすと、価格はどのくらい高くなるのでしょうか?

集会室を例にとって説明しましょう。集会室は普通、1階に設けられます。住居としては条件の悪い位置の区画を選んで集会室とします。

仮に70㎡の集会室とし、平均70㎡の住戸50戸のマンションがあるとします。そのマンションの平均価格が5000万円とすれば、50戸で25億円の販売価格になります。これが採算の取れる下限としましょう。

仮に集会室を取り止めて住戸として販売することにすれば、25億円÷51戸で、1戸平均4900万円になり、100万円の価格引き下げ効果が表れます。

逆に言えば、集会室を設けると100万円高くなってしまうというわけです。

次に、集会室を設けることで管理費や修繕積立金は毎月いくら上がるのでしょうか?

清掃費や集会室の備品、水道光熱費などが必要になります。長期的には集会室の内部に設置したコンロなどの交換、床・壁の張り替えなどが必要になるでしょう。試算は困難ですが、1軒当たりのプラス金額としてはさほどのことにはならないはずです。

しかし、集会室もゲストルームも、あるいは展望ラウンジやフィットネスルームといった共用施設が複数になったらどうなのでしょうか? それとで同じことです。そのくらい充実した物件は戸数も多いので、1軒当たりにしたら大した金額ではないのです。

それでも、それらをバッサリと切り捨てれば、管理費も修繕積立金も目立って安くなる場合もありそうです。実際にも、管理費や修繕積立金の安さを強くアピールしている新築物件をときどき見かけます。



●共用施設と管理サービスが充実したマンションの総合的な価値は?

管理費を安くするためには、共用施設を削り、共用設備も最低限に抑えることが必須です。

例えば、先に述べたような共用施設は一切設けず、エントランスホール、ロビー、廊下といった必須の共用面積を最小とするほか、設備的にもエレベーターを最小限の数で間に合わせる、備蓄する防災備品もなく、植栽もなくせばいいのです。

サービス面では、管理人にコンシェルジュを兼ねてもらう、あるいは管理人を置かない「巡回方式」にすれば、管理費は安くなるでしょう。

しかし、これらの施設・設備が充実したマンションは、付加価値の高いマンションとして市場は評価します。

例えば、ゲストルームや展望ラウンジがあれば、「遊びに来ないか。来るなら予約するから」などと親しい人との付き合いを深めやすくするに違いありません。

また、コミュニティルームではママ友をつくることや、フィットネスルーム、スタディルームといった施設では、住民との触れ合いのきっかけにもなるはずで、いざというとき(災害時など)に役立つはずです。

2階まで吹き抜けの天井高と複数のソファを配置したラウンジ併設のエントランスホールを設ければ、ガラスの清掃だけでもお金がかかりそうに思いますが、視覚的には高級感・豪華さ・差別感などにつながり、誇れる我が家と思えるはずです。

友人・知人を招待したときなどに「すごいね」や「かっこいい」などの賞賛の声を聞いて誇りを感じる場合もあるでしょうし、誰も呼ばないにしても密かな自慢となることでしょう。

このようなことを考えて行くと、やはりマンションの価値を高める要素になるのは確かと思えるわけです。



●「共用施設が少なく管理サービスも最小限」とする条件では選択できない

マンション探しにおいて優先する条件は立地条件でしょうし、何より予算が先に来るはずです。これらが条件に当てはまるものであり、モデルルームを見て気に入ったというような場合で、管理費等が高いと感じる物件であるとします。

しかし、管理内容を見直せとか共用施設を削れとかは要求できないわけです。買い手に選択権があるとしたら、間取りプランやカラーバリエーションのチョイス、設備機器や床の仕上げ材のオプションくらいまでです。

共用施設と管理内容は買い手には選べないのです。どうしても気に入らないのであれば、管理内容だけなら、入居後に組合活動を通じて変更を実現するほかありません。

残念ながら、共用施設と管理サービスを優先してマンションを選ぶというのはほぼ不可能です。

しかし、それらがマンションの付加価値になると確信できれば、むしろ歓迎すべきものと考えられましょう。

簡単に結論づけると、管理費等が他のマンションより毎月1万円高い物件であっても、10年後に120万円高く売ることが可能なものなら問題は小さいはずです。


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バス便の大規模マンションってどうなの?

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300戸を超える規模と様々な付加価値を持つマンションだが、交通便がよいとは言えないバス便マンション。郊外部では、年に1件程度販売されることがあります。

筆者の手元の記録を紐解いてみると、最近数年間では下記のような物件があります。

今日は、これらの「バス便の大型マンション」についてお話ししたいと思います。


●大型バス便マンションの実例

竣工時期の古い順に、それぞれの特徴を簡単に紹介します。

➀千葉県浦安市「プラウド新浦安パームコート550戸(バス8分)」平成23年1月竣工済み/野村不動産:完売
 
綺麗に整備された、まるで南国のリゾートタウンといった雰囲気を醸す特異な街、それが新浦安で、国土交通省が選ぶ「都市景観100選」にも選ばれたほど美しい景観を持っています。西隣の「舞浜」駅は、ご存知ディズニーランドがあります。

ここには複数のマンションデベロッパーが妍を競って建設した大型物件が多数並びます。平成17年竣工の「パークシティグランデ新浦安(バス10分)」もプラウドと同じ550戸の大規模物件で、人気マンションとして有名です。

湾岸道路の南側を京葉線が走り、「新浦安」駅が開設されましたが、プラウド新浦安パームコートは、最も南の「ベイエリア」に位置し、駅からバスを利用するほかない場所にあります。



②千葉市美浜区「THE 幕張 BAYFRONT TOWER&RESIDENCE 308戸(京葉線・海浜幕張より徒歩21分)」平成27年8月竣工済み/三井不動産レジデンシャルほか:完売

この物件は「幕張ベイタウン」と呼ばれる、海浜幕張駅(JR京葉線)を最寄りとするニュータウンの中にあります。

千葉県のHPを見ると、幕張ベイタウンは、21世紀の国際業務都市を目指す新都心にふさわしい、魅力的な都市デザインと新しい時代の社会的ニーズやライフスタイルに対応した快適な居住環境の実現を目指して(中略)、住棟を街路沿いに配列した沿道型建築とし、街のにぎわいを創出するため、建物の低層部に商業・業務系施設を配置しています。

幕張ベイタウンでは、1995年3月に入居が開始されてから、今までに9,400戸が供給され、約25,400人が住む街になっています。(2015年11月末現在)

幕張ベイタウンでは、ヨーロッパ風のデザインに統一され、街全体の調和をとりつつ、それぞれの街区に個性的で色鮮やかなデザインを採用しています。特徴的な点は、街区の中央に憩いのスペースとなるパティオ(中庭)を設けたヨーロッパスタイルの住宅です。

幕張ベイタウンの街区は駅から徒歩5分程度と近いものから、徒歩20分もかかるものまでありますが、パティオス1 ~ 22番街、グランパティオス公園東の街、グランパティオス公園西の街などの街区が形成されています。

幕張ベイタウンには何度も訪問した経験を持つ筆者ですが、ここは本当に日本なのかと感じるほどの街並みと景観で、初めての人ならきっと感動することでしょう。

「THE 幕張 BAYFRONT TOWER&RESIDENCE」は、駅から最も遠い位置にるためか、販売には多少苦労したと聞いていますが、竣工時までに完売しています。

➂東京都武蔵野市「パークシティ武蔵野桜堤405戸(武蔵境よりバス10分)」平成24年3月竣工済み/三井不動産レジデンシャル:完売

豊かな緑に囲まれた25,700㎡の敷地にゆったりと建った6棟。水音の庭、集いの庭、静寂の庭、夏の庭などの憩いのスペースがあります。バーベキューコーナー、キッチンスタジオ、ゲストルーム、フィットネススタジオ、ライブラリー、コンシェルジュサービスなどの共用設備があります。


④東京都調布市「グランドメゾン仙川305戸(徒歩19分)」平成28年6月竣工予定/積水ハウス:竣工前完売

物件のHPには、「豊かな自然と一体となり、 スローでスマートな暮らしを実現する全305戸の大規模レジデンス」とあります。4階~8階建て8棟の団地型開発ですが、隣接に広大な緑地があり、環境の良さを売りにした物件でした。

京王線と南をほぼ並行して走る小田急線。その中間に立地しますが、京王線の「仙川」からのアプローチ以外に、小田急線の「成城学園」からもバスが出ています。


➄東京都調布市「パークホームズ調布桜堤通り325戸(バス7分)」平成28年7月竣工予定/三井不動産レジデンシャル・・・販売中

物件HPによれば、「多摩川の潤いと緑を身近に、調布駅へのアクセスも快適なのが<パークホームズ調布桜堤通り>の魅力のひとつです。物件から徒歩1分(約50m)の「日活撮影所」バス停から、「調布」駅へは約7分。朝8時台は約6分~約7分おきに運行しているので、スムーズにアクセスが可能です。きらめく水面や富士山を眺める開放感、広大な河川敷。春は桜、夏は花火、休日には水と触れ合う――。多摩川の自然が、心豊かな暮らしを与えてくれるでしょう」とあります。

共用施設が充実しているのが売りで、グランドラウンジや、青山ブックセンターと提携し、毎月定期購読書誌が更新される、ライブラリーラウンジなど複数のラウンジを設置しているとありますが、三井不動産レジデンシャルの他の大型物件に比べると物足りなさが残る印象です。


⑥東京都小平市「シティテラス小金井公園922戸(武蔵小金井バス6分)」平成30年1月竣工予定/住友不動産・・・近日発売

この物件は、西武新宿線「花小金井」駅からも徒歩8分でアプローチできる位置にあるのですが、人気・需要の面で中央線が西武線より上と見た売主は、バス便を承知で中央線・武蔵小金井駅を前面にアピールしています。

今日のブログのテーマの援用に丁度いいので、バス便物件として取り上げることとしました。

物件からほど近い((約670m・徒歩9分)小金井公園について、物件HPは次のように紹介しています。

「小金井公園は日比谷公園の約4.9倍、上野公園の約1.5倍の広大な面積を誇る大型都立公園です。玉川上水沿いにあって、広々とした草地や雑木林、桜の園、子ども広場、弓道場、テニスコートなど、豊かな自然とスポーツ施設などが一体となっています。雑木林は武蔵野の面影を残し、野鳥の楽園「バードサンクチュアリ」として、四季を通じ多くの野鳥が飛来します。
広大な草地広場は、ピクニックや子どもの遊び場であり、散策、ジョギングをする姿も見受けられます」

また、「シティテラス小金井公園の敷地北側には約3,600m²の(仮称)ウィズパーク(提供公園)が計画されています。その広さはテニスコート約18面分。ケヤキや桜の既存樹を活かしながら、子ども広場のスペースにはクライム遊具、スイング遊具、マウンテン遊具をご用意。テーブルセットやベンチもあり、子どもの遊び場としては十分な広さがあり、身近な子育ての場としてご利用いただけます」とあります。

さらに、「現地南側には約770mにわたり「第1種低層住居専用地域」があり、高い空の下、低層の家並みが続く開放的な風景が広がります」と環境の良さ、とりわけ子育て環境の素晴らしさをアピールしています。

「922家族のコミュニティを創造する多彩な共用施設&サービスが、快適・安心、楽しい毎日をサポート・・・3万㎡超を誇る敷地に、緑豊かな環境と呼応するやすらぎのレジデンスを創造する同物件。家族の暮らしを快適・安心、楽しく彩るのは、全922邸というスケールならではの充実した共用施設やサービス(以下)が魅力のポイント」とも語っています。

屋上ビューテラス ・ゲストルーム(2室) ・ライブラリー・シアタールーム兼カラオケルーム ・パーティラウンジ ・キッズルーム&ペアレンツサロンをはじめとした17の共用施設に加え、コンシェルジュサービスや24時間有人管理、専用シャトルバス等の便利なサービスも導入。


●バス便の大型マンション。その共通点とニーズ

ここに紹介した物件は「バス便・大型」の二つをキーワードとするものですが、他に共通点として次の5点を挙げることができます。

1)街並みの美しさ・緑の多さなど、環境がすばらしい

2)共用施設が充実している

3)管理サービスが細やか


ここまでは、先に述べた物件の紹介記事でお分かりいただけることと思います。

4)価格が安い

何を基準に安いというか、それは最寄り駅の徒歩圏マンションの相場と比べてのことですが、概ね20%くらいは安い価格で分譲されています。

これに、自然環境の良さや景観のすばらしさを持つロケーション価値と、建物(敷地内の共用空間のデザインを含む)の圧倒的な差別化策がもたらす付加価値を加味すると、交通便・買い物便等のマイナスも多分に相殺されてしまうのです。


5)広い専有面積の住戸タイプが多い

価格が安いということは、例えば駅前物件なら70㎡しか届かない予算で、バス便物件では80㎡以上の部屋に届いてしまうことを意味します。

広い部屋と美しい環境の中で、ゆったりと暮らしたいというニーズ、もしくは子供を自然の豊かな環境で育てたいというニーズにはぴったり合致するのです。


●それでもバス便マンションには見向きもしない人が多い

以上のような魅力に溢れたロケーションと付加価値の高い大型マンションですが、バス便と聞いただけで全く対象外と考える人が多いのは事実です。

人間は霞を食って生きて行くことはできないので、環境は大事といえども利便性を軽視できないからです。

自家用車で30分も走れば職場に着いてしまう小都市とは違い、東京圏ではどこに住んでも勤労者の平均的な予算では通勤時間が1時間から1時間半かかってしまうのが普通です。それだけに、時間のかかるバス便立地は避けたいのです。

郊外のバス通勤であっても、職場が最寄り駅の近辺にある人とか、駅で鉄道に乗り換えるにしても二駅以内の近さに職場があるといったふうに、都心通勤でない人なら抵抗も小さく、十分に魅力を感じるはずです。現に購入した人の大半は、その種の人なのです。

しかし、首都圏居住者の多くは東京都心へ通勤しています。その証拠に、通勤電車は2~3分おきに運行されているにも関わらず通勤時間帯は超満員です。

首都圏内での転勤がある企業に勤めている人も多数あります。そのような人は、支店・営業所のどこへ移動になっても不便にならない立地条件のマンションを取得しようとします。そのような人も、バス便マンションは考えにくいのです。

通勤に1時間半もかかる人は、時差通勤によって満員電車を避けたりしているかもしれませんが、帰宅が遅くなると困る人でもあります。遅くなったときタクシーで帰ることのできる都区内に住みたいと考えるのは交通費の問題だけでなく、睡眠時間を極力確保したいからという動機があるのです。

上級国家公務員の場合などでは、いざというとき直ちに役所へ駆けつけられる近場に住まなければならないようです。

2011年の大地震以来、いざというときに帰宅難民にならない距離に住みたいというニーズが増えて、ますます郊外のバス便マンションは不人気です。


●問題は将来の売却時にある

同じバス便マンションでも、大型の場合は不便さを補って余りある(?)付加価値の高い建物、すなわち専有面積の広さと共用施設の充実、管理サービスの細やかさ、価格の安さといった魅力があります。

そのおかげで、大規模=戸数の多さも克服し、さほどの期間を要することなく完売に至るものです。

しかし、その需要と供給のバランスは拮抗しており、都心の駅前マンションのような高い競争倍率で短期完売とは行かないことが多いのも現実です。

売り出し当初は「第1期・第2期、連続即日完売」などと誇らしげに広告で謳っても、やがてジリ貧となって、建物が竣工するくらいまで長い時間がかかってしまうケースも少なくないのです。

このような事実からも、バス便でもいいというニーズは多くないので、将来、中古マンションとして売却する際に、短期間で買い手が付くかという懸念を残します。

勿論、バス便マンション同士の比較になれば、大型で付加価値のある物件は買い手が付きやすいに違いありません。売れなくて売却を諦めるというようなこともないかもしれません。

とはいえ、賃貸は容易でないので、最後は価格を下げて買い手の要求を呑むということになりかねません。



●安く買ったのだから損失は小さいのでは?

「買い手が中々つかないとき、最終手段は売り出し価格、もしくは内見後の買い手からの要求に応じて売却価格を下げるということにするとしても、そもそも購入価格が安かったのだから損は小さくすむのでは?」—―このような考え方を取る人がいます。

実際はどうなのでしょうか? そもそも価格が安いということは、安くしなければ売れない、言い換えると、バス便マンションの販売成功条件は「安さ」にあるのです。そうしなければ目を向けてくれないことを意味しています。

買いたい人が多数あって、買い手同士で競争し合う状態が生まれるような駅前マンションなどは、価格は上方へ振れやすくなりますが、バス便マンションは逆です。

駅前マンションが100から転売時に90へ10%下がったというとき、バス便マンションは80で購入しても10%下の72では収まらないと考えなければならないのです。

勿論、例外もあります。 80で買ったバス便マンションが、転売時に80か85で売れることもないわけではありません。しかし、それは多分に幸運というほかありません。

同じバス便でも大型物件の方が値下がり率は低く、大型マンションの中でも周辺環境や買い物便が良いなどの差別感が明確な物件は値下がり率が低いのです。

しかし、分譲時の価格が市場全体で高値のときに買えば、付加価値が高い大型マンションであろうと、また、素晴らしい自然環境や街並みの中にあろうとも、売却の時期によっては値下がりが大きいということがあります。

結局のところ、購入マンションの魅力と欠点とを冷静に見極め、その価値に見合う価格かどうかという視点と、将来も高い競争力によって少ない需要の中から買い手を見つけられる物件かどうかという視点、このふたつによって選択の是非を判断することが重要なのです。


今日の話は、バス便マンションに限らない「マンション選び普遍の法則」を述べたことになるのかもしれません。


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京都のマンションが人気。その背景にバブル?

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最近、京都のマンションが人気を集めていることをご存知でしょうか?

直近では、三菱地所レジデンスや野村不動産などが京都御所の近隣や鴨川沿いなどで高級マンションを販売中です。 これらの中には5億円を超える住戸も含まれており、関西エリアの中でも特に高額なマンションとして話題になっています。


●相続税対策を兼ねたセカンドハウス需要

平成27年1月から相続税の改正で基礎控除額が下がり、これまでは課税対象とならなかった人も相続税が発生する可能性が出て来るとされ、俄かに相続税対策として、現金資産から不動産へという流行を起こしました。

不動産購入の中でも、タワーマンション上層階を選択するのが効果的と言われ、東京都心の高額なタワーマンションの販売に寄与したのは確かだったようです。

購入したマンションがどのような用途だったかというと、自己使用というより賃貸用か家族(子供)・親戚などの使用、もしくは大半が賃貸目的らしいとも。

これに対し、京都の高級マンションはタワー型ではないので、相続税対策というより、セカンドハウスとしての利用が主体と聞いています。買い手は、地元近畿圏の人でなく、東京在住者が目立つと言います。


●江戸から見れば京都は上方。憧れの都市

ご存知のように、京都は東京よりはるかに長い歴史を持ち、数多くの寺社など歴史遺産や食、工芸などの伝統文化は無論のこと、洗練された都市機能も併せ持つ憧憬の街です。

天皇の居所も、かつては京都にあったわけで、東京は「皇居」ですが、京都は「御所」と呼ばれます。その、そばに住むことはステイタスの高さを示すものとなり、多くのマンションが「御所東」や「御所西」、「御所南」を冠しています。

新築では、先に述べたデベロッパーが「プラウド京都御所東」や「ザ・パークハウス 京都鴨川御所東」、「ザ・サンメゾン京都御所西」、「ザ・京都レジデンス 御所南」といった物件を販売中です。


中古市場では、御所東アーバンライフ、グランフォルム京都御所南、銀閣寺道パーク・マンションなどといった100㎡以上の専有面積を持つ億ションが現在売り出し中です。


●鎌倉・伊豆・沖縄・ハワイの共通点

癒しを得ようとする人の志向は大昔からあったようで、その方策のひとつとして、気候が良く景観に優れた土地へ旅行することは定番でした。

時間もお金も余裕のある人は、長期滞在するので、ホテル泊ではなく別荘を所有したりします。

筆者の同級生に弁護士が何人かいますが、その一人は鎌倉市に住んでいます。記憶では、随分若い時分に鎌倉に土地を買って注文住宅を建て住んでいました。 毎晩のようにタクシーで帰宅するような多忙な友が、なぜそんな遠いところに住むのかと不思議に思ったものでした。

伊豆の山中に住む親戚もいます。リタイアした夫婦ですが、伊豆に住む前は武蔵小杉のマンションに長く住んでいたのです。

伊豆と言えば、その昔、タレントの大橋巨泉さんが伊豆に住んでいたという新聞記事を読んだ記憶があります。その後は確かカナダに転居したのではなかったか?

大阪に住んでいた知人の一人に、沖縄の石垣島によく通っていた人がいますが、いつの間にか定住してしまいました。

ハワイに別荘を所有している芸能人は多いそうですが、一般人でも別荘を持つお金持ちがいるようです。別荘といっても形は様々で、プール付きの一戸建てから賃貸も可能なコンドミニアムもあります。

ハワイと同じような青い海と空のリゾート地は豪州にもあります。中でも「ゴールドクレスト」が有名です。昔、同地を訪問したことがありました。目的は、日本人向けのリゾートマンション分譲を企図するデベロッパーから意見を求められたからです。

計画は頓挫してしまいましたが、ハワイよりは観光客も少なく、賑やか過ぎないところがいいなと思ったことを覚えています。最近はどうなのでしょうか?

伊豆や沖縄、京都でマンション開発をやりたがっていたデベロッパーに依頼されて沖縄と京都は数えきれないほど訪れましたが、設計に活かすためのニーズを把握しようと研究したことが思い出されます。


●これもバブル現象か?

伊豆や沖縄、京都、ハワイ、豪州などを頻繁に訪れたのは、もう25年も前のことです。

最近3年くらいを振り返ると、沖縄でのリゾートマンション販売が活発らしい事象に遭遇したり、京都のマンションが首都圏版のSUUMOや新聞広告で宣伝されている例をよく見かけたりしますが、その断片だけを見る限り「バブルの再来」かと感じたりします。

国民がそろってバブル景気に酔ったバブル時代とは明らかに異なる現況なのに、なぜバブル期のような現象が現れるのだろうなどと考えさせられます。


そう言えば、三菱地所が海外不動産に投資するファンドを設立したというニュースを確か3月(2016年)ころの新聞で見ました。これなども「バブル再来」の兆しと感じざるを得ません。

何故なら、30年前には日本の不動産業者の多くが海外不動産を買い漁ったからです。三菱地所も、ニューヨーク市の有名な「ロックフェラーセンター」を高値買収したことがトップニュースになったものでした。物件価値は、その後大きく下落して同社に多額の損失をもたらしたことも覚えています。

今また同じ轍を踏もうとしているとは思いたくありませんが、一部の個人、一部の法人がバブル時代と同じような行動をとっているとしたら、その動きに便乗してしまう人が増えてしまわないかと、他人事ながら気がかりです。

バブルとは、実質の価値以上の値を付けてしまう資産の膨張を意味します。バブルが破裂して裸の価値をさらすとき、同時に富の喪失をもたらすからです。


都区内でも急激な高騰を見せるマンションがあります。全体的な価格上昇のトレンドも明白です。「バブルではないよねえ。まさかね」などと否定しつつ、一部で肯定せざるを得ない現象も確認したりしていますが、今後も注意深く市場の動きを見て行こうと思っています。



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熊本地震 「マンション崩壊」の映像を見て

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座屈(ざくつ)という、一般には聞きなれない建築用語があります。マンションの1階のピロティ―(建物を支える柱だけの空間。駐車場に利用される)が、2階から上の建物の重みでつぶれてしまうことを言います。

2016年4月14日をスタートに連発している熊本の大地震を伝えるTV報道で映し出されたのでご記憶のことと思います。 ピロティに駐車してあった車がつぶれている様子や、1階部分の柱が折れ曲がって鉄筋が飛び出していました。

2階から上の共用廊下は、本来なら水平であるはずなのに、波打っていたり、「逆への字」になっていたりしていました。

既視感というのでしょうか。実際には見たことがないのに、どこかで見たかのように感じることですが、一瞬そう思った人もあったのではないかと思います。

筆者には、確かな記憶としてよみがえりました。1995年の阪神淡路地震のときに何度も見た映像と同じです。実際に現地を歩いて見た光景でもあったのです。

あれから21年も経ちました。普段は忘れていることですが、鮮烈な映像は瞼の奥にしっかり記憶されてしまうものと、あらためて感じました。多分50年経っても忘れない光景なのだろうと思います。

脱線しますが、ピロティ形式のマンションは座屈の可能性が高いから購入は止めた方がいいなどと、当時、得意顔で発言していた専門家がありました。しかし、その後もピロティ形式のマンションは多数建設されて来ました。

言うまでもないのですが、ピロティ形式であろうがなかろうが、今の建築法規では震度6強~7でも倒壊・崩壊しないことを「耐震性能」の最低基準としています。

座屈したり傾いたりしたマンションは、現基準を満たしていない、つまり1981年以前の旧・耐震基準で建てられた古いものだったに違いありません。

また、映像では壁に亀裂ができた建物も何回か登場しました。あの壁は「雑壁」と呼び、「構造壁」と区分されているもので、地震エネルギーを亀裂によって逃がす役割を持つものです。言い換えると、亀裂が起きた方がよいというわけです。亀裂が起きるように設計されているとも言えます。


話を元に戻します。 

昨年10月に発覚した横浜市のマンションの「杭工事欠陥」事件は記憶に新しいですが、マンション検討者の多くが早くも無関心になってしまったかのように思えて仕方ありません。無論、数字的な根拠はないのですが、筆者へ届くご相談メールなどから何も伝わって来ないのです。

「このマンションは大丈夫ですか?」と問われる前に、売主サイドは「適切に杭工事を完了した旨の確認をしております」などといった書面を提示していることが不安を消し去ってしまったのでしょうか?

とまれ、欠陥マンション騒ぎは収まり、何もなかったかのように時は流れています。

杭が堅い地盤(支持層)に達していなかったという前代未聞の欠陥工事は、2年続きで発覚しましたが、他にはなかったのでしょうか? 

2件の事件は、傾きが発見しやすい建物だった(2棟を渡り廊下でつないだ形状なので、棟の片方が傾いたことによって棟間で段差が生じた)からではないのか? 横浜市の地層の特殊性から考えて、他にも同様の可能性の潜むマンションが存在するのではないか。そんな疑問は消えていません。

工事中の新築マンションの場合はチェックのしようがなく、施工会社並びに分譲主を信頼するほかありませんが、中古マンションを検討するときは、四方八方から建物をよくチェックした方がよいのです。


天災は忘れた頃にやって来ると言います。阪神淡路大地震は千年に一度と言われました。今回の熊本も百年ぶりの大地震だったそうです。

人間の寿命から見て、千年も前のことは誰も覚えていないのですから、対応ができていないのも仕方ないのかもしれませんが、半年前の事件は言わずもがな、20年くらい前の事件や天災なども忘れずに、購入前のチェックはしっかりしておきたいものです。


流行は短いものですが、マンションを購入するとき、地盤、杭工事、耐震性、遮音性、耐久性などと、売主の施工管理・品質管理体制などを厳しく問う買主の姿勢は不易であるべきです。


とはいえ、若い買い手の中には、阪神淡路の被害状況でさえ記憶にないという人もあるでしょうし、首都圏の人にとって阪神淡路の記憶は薄いということかもしれません。

10年も経ったら、事故や事件、天災を教訓とするチェックポイントなど、世間で忘れ去られてしまうかもしれません。まして、何も覚えていない、体験がない若年層の買い手にチェックを求めても無理がありそうです。


風化を導く人間の習性や世代の交替を思うとき、学習した先人の知恵をどのような形で後世に残すべきか、その方法論を考えながら、その役割の一翼を担えたらいいなと思う日々です。



 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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美観を保つことが資産価値を長く維持する秘訣だ

ブログテーマ:マンション業界出身者が業界の裏側を知り尽くした目線で、マンション購入に関する疑問や諸問題を解き明かし、後悔しないためのハウツーをご紹介・・・・原則として、毎月5と10の日に投稿しています。


マンションを購入する際に「資産価値」という要素を選択条件に加える買い手が随分増えて来たという実感を持っています。

多くは購入前の段階で「価値あるマンション」の条件として「立地」や「建物プラン」に注視するわけですが、中古マンションの検討者の視点には「管理」が加わって来ます。

管理というと、資産価値を長く維持するためには無関心ではいられないことを理解できるものの、管理会社の問題かのように、あるいはマンションの場合は個人の力の及ばない問題と思いがちです。

そこで、今日は提案として管理問題の意識を強く持つべきことをお話ししたいと思います。


●室内の美観

アメリカ人は、売却するときのことを常に意識し、所有者が建物の劣化を食い止めようと、DIYに精を出すと聞きます。これは一戸建ての場合ですが、同じようにマンションでも建物の劣化スピードを遅くすることに関心を持つべきなのだろうと思います。

しかし、マンションは共同住宅ですから個人が共用部分を勝手に触ることはできません。

そこで、専有部分・室内の維持管理に努力することを先ずは提案したいと思います。

維持管理とは、「美観を保つこと」と言い換えてもよいでしょう。

室内の設備にはガスコンロにせよ、エアコンにせよ、寿命があるので、その劣化を使用者の努力で延ばすことは限界があります。とはいえ、日本製品は優秀ですから、10年どころか20年も使い続けられる設備は少なくありません。 となると、ポイントは室内の美観がテーマとなって来ます。

美観、言い換えると綺麗であることですが、売り出しの直前に、しっかりとハウスクリーニングを実行すればよいとも言えるのですが、壁や天井・床の汚れを取るのは簡単ではありません。

居住したまま売り出すとしたら、壁の張り替えは家具を移動しなければならないでしょうし、床を張り替えるとなると、費用を含めて大がかりになるはずです。

空室にしてから売り出すとしたら、家具などで隠れていた部分の汚れが露見することになり、販売に重大な影響を与えることになりかねません。「見栄え」は買い手の心理を左右するものだからです。

中古マンションの売り出し現場とネット上の室内写真を見ると、新築マンションのモデルルームと見まがうような綺麗な事例が増えているような気がします。

大手仲介業者の中には、高額物件を主に新築マンションのような「モデルルーム化サービス」を専任契約条件付きで導入しているところもあります。

中古マンションの買い手にとって、リフォームを前提にしているとはいえ、その費用が少ないに越したことはありません。筆者の知人に、「20年間に一度もリフォームしなかった部屋を売却したが、壁紙の一部を張り替えただけで、ほとんどそのまま住んでくれた」という人があります。

知人の家族は綺麗好きだったと思われますが、誰もたばこを吸わないこと、日ごろから丁寧な掃除を心がけていたこと、1年に1回はプロの掃除人に来てもらっていたことなどが奏功したと知人は言います。おかげで、売り出し価格も期待通りだったということだったようです。

いずれは売却するのであれば、床や壁・天井の汚れ、浴槽や洗面化粧台、ガスコンロ、エアコンなどの汚れを可能な限り溜めないような暮らし方が必要なのです。


●マンション全体の美観

中古マンションの売却で最も影響を受けるのは、室内よりマンション全体、すなわち共用部の状態にあります。マンション全体の美観が大事です。

鉄部の塗装が一部で剥がれていたり、タイルが欠けていたり、また植栽が枯れていたり、密集した低木の植栽が全く手入れされていない、外壁やエントランスホールや共用廊下の床や壁が全体に古ぼけた印象を与えている、自転車置き場が雑然としている、集合郵便受けの付近にチラシ等が散乱している、エレベーターの内部が傷だらけといった状態は見学者に悪い影響を与えます。

管理は管理会社に委託して行われるものですが、このような状態を招くのは何故でしょうか?

管理人が怠慢だからでしょうか?管理費が足らず、管理会社が十分に能力を発揮していないためでしょうか? 最近は所有者の意識が変わり、比較的よい管理がなされるマンションが増えていると聞きます。

しかし、築30年以上の古いマンションの中には、賃貸比率が高くなって所有者不在の部屋が多いために管理業務が円滑に進まないという声も聞こえて来ます。

ともあれ、重要なのは所有者・住民の意識にあります。管理組合がいかに素晴らしい提案をしても、実施の決定をするのは管理組合です。

日常の管理、長期的な改修工事など、共用部も自分の住まいとして「機能と美観を保とう」とする所有者・住民意識がカギを握るのです。

ちょっとした差が長い間に大きな差となるとも言われます。ゴミを拾ったり、気付いたことを管理人に知らせたり、組合の役員に提案したりといった行為を通じて、我が家の心地よい空間を維持して行くことは大事なことです。

筆者はご縁のあった方には、「マンションを買ったらできるだけ管理に関心を持ち、管理組合の役員になるなど積極的に関わることも大事ですよ」とよく話します。

●美観保持にに役立つ植栽

 建物は時間が経過するほど劣化して行きます。時間が経つほど魅力を高めるような工夫も重要です。お分かりと思いますが、生長する自然を取り込むことで、年月の積み重ねをプラスに換えて行くことが可能なのです。

マンション敷地内の緑地スペースが広いほど、建物の劣化を相殺する形で樹木が生長して行くことが望ましいと言えます。シンボリックな大木だけでなく、敷地を囲むように中・大木が育つと目に優しいというだけではなく、マンションの古さが目立たず、全体が美しく、価値あるマンションに見えて来るのです。

具体的な物件名を挙げるのは差し控えますが、都区内だけでなく、まるで森の中に建つマンションといった風情の物件が結構あるのです。

前にも本ブログに投稿したのですが、一部を転載します。

注目したいのは、「緑地率」または「緑被率」です。

これが30%以上あれば、敷地は緑で覆われた印象が強く伝わって来ることでしょう。オープンスペースが60%のマンションなら、半分は緑地ということになるからです。

現実は、こんなに高い緑地率の物件は少ないものです。営業マンに尋ねてみて(把握している営業マンは少ないが)、回答が20%以下であるとしても、部分ごとの(庭園なりプレイロットなりの)の広さを聞き、それがどの程度のものかを想像してみることが大事です。

新築マンションは物件ごとにHPが公開されていますが、そこには「トップ」「間取り」「設備仕様」「物件概要」などと並んで「ランドスケープ」というページが設けられています。

敷地配置図という表現のHPもありますが、そこには「敷地があって、その上に建物がどんな形で配置されているか、エントランスがどこにあり、駐車場はどのように配置されているか、庭園や緑道がどこに、どのくらいの割合を占めているか」などがおおよそ分かるように描かれています。

パンフレットにも同様の絵が載っています。

しかし、どちらも図面そのものが大きくないので、それぞれの大きさ(広さ)がどの程度か実感するのは困難です。東京ドーム何個分という表現をよく聞きますが、こうした比喩がないからです。

畳100枚分の広さなのか、住戸100戸分の広さなのか、バスケットボールのコート1面分?それともテニスコート2面分? こうした表現を見ることはあまりありません。

〇〇㎡の庭園、既存樹〇〇本といった表現はたまに見ますが、多くは部分のパース(完成予想図)を展示するだけです。

立ち話をする住民の姿を書き込んだ庭園風景、子供たちが走りまわる姿の入った敷地内公園、高木の間を縫う敷地内通路を夫婦で歩く姿、こうしたパースが代表的なものです。

こうした絵や図を見て想像力を膨らませるのです。ただし、ここは少しシビアに見つめたいところです。こうした共用空間の実際の大きさを是非とも想像して「〇〇と同じくらい」と頭の中で描くのです。

敷地内に分散する緑地の合計面積で緑化比率を把握することより、そこに実際に立ったつもりになって、視界に入る緑の量がどのくらいかを想像することが大切なのです。

そうして、猫の額の庭園や植栽ではなく、極端に言えばマンションを包み込むような緑地であれば最高です。それこそが大きな差別感につながるからです。

わが家の差別化としての豊富な植栽、豊かな緑は、マンションの資産価値を高める大事な要素になり得るのです。

 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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2016年3月の首都圏マンション(新築)価格 上昇続く


不動産経済研究所が昨日発表した「3月の新築マンション発売動向調査」によれば、価格上昇傾向が続いています。

2015年1年間の動向は、前年比9.6%(専有面積3.3㎡単価で)も上昇しましたが、その流れは変わらず、前年同月比8.9%という高値となった模様です。

2月は、前年同月比で2.8%アップと幾分上昇率が鈍化したかに見えましたが、そうではなかったようです。

発売戸数は2693戸で、前年同月比40%も減少しています。また、1物件あたり16.5戸と、相変わらずチビチビと売り出しています。

発売戸数を少なくしても、その契約戸数は少なく、3月の契約率は67.6%と好不調の分岐点と言われる70%を割り込んでいます。昨年9月以降の7か月間で、70%割れは5回になりました。

2012年頃から好調に推移して来た新築マンション販売は、確実に悪化トレンドを示しているのです。

それにしても、発売戸数の少なさ、つまり品薄状態は、買い手にとって選択の余地は狭く、決断の難しい環境にあると言えましょうか。

「価格は高く、品数は少なく」、これが現状の新築マンション市場となっています

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