2月5日PartⅡ「転勤で自宅を賃貸。住宅ローンはどうなる?」


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最近あったご相談の中から、今日は「転勤で空いた自宅を賃貸したいのですが、住宅ローンの扱いに悩んでいます」を取り上げてみました。


●転勤で自宅マンションを賃貸することにしたが・・・

いずれ戻って来たときに住むかどうかは分からないが、とりあえずは売却せずに賃貸しようと思うという人は多いと思います。

この場合、住宅ローンをアパートローンに借り換える必要があるかという問題です。

自分が住む目的で利用した住宅ローンなので、賃貸用のアパートローンとは条件が違います。

簡単に言えば、アパートローンは金利が高いのですね。それを低利の自己居住用・住宅ローンのまま賃貸したら契約違反になるのではと心配する人は少なくないようです。

アパートローンの金利は、2015年12月30日現在で2.5%(オリックス銀行、5年固定特約型の場合)もします。自己居住用の住宅ローンが1%未満であることと比較したら、大きな差になります。

賃料が入るので返済は可能であるとしても、抵抗感はずいぶん強いことでしょう。何しろ、居住用のローンは1%未満なのですから。


●転勤族は保護される

実際はどうなのでしょうか? 「転勤の為の賃貸」は認められるのです。

「転勤になったら、金利が上がる」という話は聞いたことが有りません。賃貸することにしたら金利の高いローンに切り換え(借り換え)しなければならないとしたら、転勤族は家を買えなくなってしまいます。


「賃貸の動機が転勤によるもの」、「賃貸するマンションに住民票があった」ということであれば認めてくれます。

ただし、転勤の辞令等の提出を求める銀行もあると聞きます。

心配な人は、名前を明かさずに銀行で相談してみてはいかがでしょうか?
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2月5日PartⅠ「タワーマンション市場が正常化へ?」


相続税対策に有効とされ、富裕層がタワーマンションの上層階を購入する(仮需要)という行動が2015年は活発だったようです。そして、それがマンション市場に異変をもたらしたことはよく知られています。

相続税対策に有効な理由は、次のようなことでした。

ご存知のように、タワーマンションは眺望を売り物にしているだけあって、高層階ほど高値が付いています。中古になったときも、概ね上階ほど高い値段で取引が成立しています。

つまり、市場価格は実勢として上に行くほど高いわけです。ところが、相続税の評価という物差しは実勢価格と無関係に専有面積が同じなら同額にしてしまうのです。

10階の70㎡が5000万円、40階の70㎡も5000万円というわけです。これに対し、市場価格は、10階が7000万円で40階は1億円以上になっています。その差は、ときに2倍もの大きな差です。

40階の住戸を相続税対策に1億円で購入すれば、評価額は半分の5000万円に圧縮されるので、現金1億円の相続より40階のマンション1室の相続の方が税金は少なくてすむわけです。

国税庁が全国のタワーマンションの20階以上の住戸334物件について調べたところ、評価額は平均して市場価格の半分どころか3分の1に過ぎなかったというのです。

10階の部屋では、市場価格7000万円、相続税評価額5000万円くらいの差なので、現金7000万円の相続よりは有利ですが、メリットは大きくありません。そこで、買うなら差の大きい上層階をというわけで、タワーマンションの上階は相続税対策で買われるケースが急増したというのです。

これが昨年降ってわいたようなブームになりました。理由は、相続税が昨年から重くなったためです。合法的な節税策として全国の税理士が富裕層に勧めたせいでした。

折角、増税策を講じた国は、この動きを見て効果がないと知ると、早速手を打ちました。2016年1月24日の新聞報道によれば、国税庁は今秋にも評価基準を改正する法案をまとめ、2017年から省令を改正、2018年から実施するとしています。

市場価格より相続税評価が低い基本は変わらないにしても、現況のような階数に関わらず一律というのは変わることになりそうです。

高層階を買ってしまった人を含めて、高層階の評価額が、2018年から増額(高く)になると分かれば、高層を狙う意味がなくなります。

この改定は、タワーマンションの販売傾向に変化をもたらすことになりそうです。「相続税対策はタワーの高層階がメリット大」とは言えなくなるのですから、これまで高値の高層階住戸の人気は低落するでしょう。

そうなると、売り手も痛手を被るかもしれません。先読みの鋭い売り手なら、これまでより価格を抑えめにして来るかもしれません。

その代わり、高層階で稼げなくなった分を中低層階の住戸に振り替えることにするでしょう。そうなると中低層階の住戸が高くなってしまいます。

中層階以下を購入したい人にとっては逆風となり、中層階以上を自己居住目的で買いたい人には朗報と言えましょう。

功罪相半ばですが、タワーマンションの値付けに変化が出て来そうです。

 ・・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談は「無料相談」のできる三井健太のマンション相談室(http://mituikenta.web.fc2.com)までお気軽にどうぞ。

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値下げ断行マンションが散見される


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前回、値上げマンションについて書きましたが、今日は反対の「値下げマンション」について書きます。


新築マンションの価格が急上昇し、首都圏全体で2015年は3年前(2012年)から20%を超えることとなりました。

昨年10月25日に「暗雲垂れ込めるマンション販売」と題して書いたのですが、ついにと言うべきか、やはりと言うべきか、大幅に値下げする例を含め、住宅情報誌などで大っぴらな値下げ広告を始める例が現れ始めました。

また、検討を断念したモデルルーム見学者へダイレクトメールが届き、「数百万円の値下げ」を知らせて来たそうで、読者の情報で知りました。

さて、東京都下某市にある1年前に竣工した小規模マンションが、間もなく2回目の決算期を迎えるに当たり値下げに踏み切ったという事例を取り上げます。

その下げ幅は、何と1000万円。広告によれば、最低でも600万円以上です。値下げ率は11%から14%と大きな金額です。

30戸もない小型マンションでありながら、売れている部屋数が10戸に満たないありさまなので、もはやこうするしかないと決断したのでしょう。

当該物件の属するエリアを少し調べてみましたが、最寄駅の圏内は平均坪単価が@200万円強でした。これに対し、当該物件は定価で@270万円もするのです。単純平均で35%も高いと分かりました。

最近2年くらいの動きを見ると、首都圏では、40%も50%も高くなった物件が多数見られましたが、それでも売れた例は少なくありません。それが通用するエリアだったからです。

某市の場合は、それが通用しなかったということです。市場が大きなエリアでは、暴騰するマンションに着いて行ける需要層も分厚く存在するものですが、郊外の某市は市場が薄かったことを証明しています。

最寄り駅にへばりつきであるとか、大規模タワーマンションといったインパクトある物件なら、都心にダイレクト路線であるだけに35%高い価格であっても通用したかもしれませんが、駅から徒歩10分もかかり、ごく普通の住宅地に過ぎない物件なので市場は受け入れてくれなかったのでしょう。

その駅は印象として何とも寂しい駅というほかなく、2年前に調査に行ったときの記憶をたどると、お世辞にも住みたいと思える街ではなかったのです。

そう言えば、調査を依頼して来た人は、「スタバもないのです」と表現していました。


この例は極端な例かもしれませんが、数百万円の値引きなら、もはや珍しいことではなくなりつつあります。



特定物件が何割高いかと考えるとき、相場との単純比較では10%高であっても、実質的には、もっと高いと判定すべき物件はたくさんあります。

最近、広告をチェックしていて、一瞬「手頃な価格だな」と感じる物件に出会うと、大抵は駅から徒歩18分とかバスで10分といった不便な物件です。

不便なマンションが売れないのを承知しているデベロッパーは、その弱点を補う美点・利点を備えている立地条件と建物の付加価値をもって販売します。

例えば、広い公園がそばにあるとか、「イオンモール」や「ららぽーと」といった施設が近いといった立地条件、そしてマンション内に設けた子育てのための各種施設やランニングコストが少なくて済みそうな自走式立体駐車場、極端に安い管理費といった「売りもの」によって、交通便の悪さを克服しようと図ります。

しかし、それらの魅力は短所・弱点を補って余りあるかと言えば、筆者の感じるところでは遠く及ばない例が多いのです。 それを価格の一見の安さに惹かれて買ってしまうのは、リスクが大きく、犠牲を払うことにもなりかねないので、慎重に検討しなければなりません。

1000万円も値下げしてくれたら飛びついて買ってしまいそうだけれど、1000万円引きでも割安とは言えないのではないか? そうです。冒頭の某市の値引き物件は、大幅な値引き後でもまだ高いのです。

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駅近というだけで何割も上がった高額マンションは、高値掴みにはならないか?  高値掴みをしたら将来どんなことになってしまうの? 高いと知りつつ買う意味はどこにあるの? 値下がりを覚悟して買うにしても、その許容範囲はどの程度なのか? 髙いから3LDKを諦めて2LDKにしたいが、問題はないか? 

また、値下げマンションは価値があるのか? 大幅な値引き販売したマンションには将来どのような問題が出て来るの? 値引き交渉をしてみようと思うが、どのくらいになったら買う価値があるだろうか? 

高値が続く新築マンションを前に、このような疑念を感じる人は随分増えているように感じます。

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マンション市場は、新築も中古も混沌として来ました。マンション選びの判断はますます難しい局面を迎えつつあるようです。

 

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新築マンションの値上げ分譲に違和感

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利益追求が民間企業の目的なのだから、こんなことを書いたら馬鹿にされてしまうかなどと思い悩むのですが、最近のマンションデベロッパーの値上げ販売の動きに、どうしても取れない違和感を覚えています。


消費財では、全く同じ商品が店によって売値が違うのはよくあることです。同じ店でも、昨日と今日で値段が違う、生鮮食品になれば朝と夕方で値段が違います。

これらに私たちは全く違和感を覚えることはありません。理由や背景もよく知るところです。値上がりが大きいときは買い控えをし、値下がりしたら我先にと買い漁ったりもします。



しかし、マンション販売の世界は異質なので、価格が変わることに割り切れないものが残ります。

マンションが消費財との根本的な違いは、マンションには二つと同じ物がないという点にあります。場所も違いますし、同じ広さ・間取りでも階が違います。唯一無二の商品、それが不動産・マンションという商品なのです。

このため、価格もみな違って当然です。条件・品質・大きさ・広さがみな違うのですから、価格の比較もしにくい、それがマンションの価格というものです。

筆者に対し、検討マンションの価格が適正かどうかを教えて欲しいというご相談・ご質問が絶え間なく来るのも当然と言えば当然なのです。

買い手は自分なりの調査や勘などで「高い」と思ったり、「安い」と感じたりするようですし、最終的には「高いが買おう」か「安いけど〇〇だから止める」などと判断して行きます。



ところで、新築マンションの価格はどのようにして決めているのでしょうか?

基本的には「原価積み上げ式」です。土地代と建築費、販売経費、利益の合計が価格です。

利益は企業存続に必須の割合があります。新築マンショを開発し販売する「デベロッパー」の場合、平均は20%程度です。それ以上の利益を取りたいと思っても、価格が高ければ売れないので、仕方なく20%で我慢しているとも言えますし、20%あれば十分と考えているとも言えます。

「原価積み上げ式」と言いましたが、売れない価格になってはいけないわけですから、土地代と建築費の原価は売り値からの逆算であらかじめ決めてかかります。

この場所にこんなマンションを企画したら、きっとこのくらいで売れるだろうとの目算のようなものを各デベロッパーは持っています。経験値であったり、市場調査の結果であったり、目算の仕方は様々ですが、あくまで予測なので、強気なデベロッパーと弱気なデベロッパーとに分かれるのも事実です。

想定する分譲価格を強気に予測したデベロッパーは、土地を高く仕入れることができます。

マンション開発に向く土地というものは、実は中々ないもので、立地条件が良いとは言えない土地、変形の土地、傾斜地、道路幅が狭くて工事がしにくい土地といったふうに、何かしら問題を抱える土地が多いのが現実です。

このような原材料(?)事情があるため、取得競争は常に激しく、用地代は高くなりがちです。そして、マンション価格は常に上方に振れやすいという性格を持ちます。

価格が上がれば需要がついて来なくなる恐れがあります。いうまでもなく、勤労者にとってマンションは一生に一度の大きな買い物だからです。しかし、過去50年、マンション価格の推移を紐解くと、バブル後の一時期を除きほぼ上昇を続けて来ました。

その間に需要は減少と増加を一定範囲で繰り返しながらも、ゼロになることはなく、いつの間にか高値に追いついて来たのです。 そこには「購買力の上昇」という要因があったわけですが、購買力の上昇は所得の増加、貯蓄の増加、住宅ローン制度の拡充、同金利の低下、住宅購入応援の国策(住宅ローン控除や住宅贈与税の特例など)によるものです。

供給側のデベロッパーは、高値でも購買力が追い付く限界、平たく言えば高値でも販売は可能であるという限界点を知る経験と研究を積んで来ました。

マンション販売で利益を着実に上げるため、デベロッパー各社は並々ならぬ苦労を強いられて来ました。とりわけ、価格をいかに抑えるかに力を傾倒して来たのです。

それでも計画段階の価格に抑制することができないことの方が多い実態にあります。建築費が上がってしまったりするからです。ままよと高値で売り出して失敗し、売れ残った何割かの住戸はバーゲンセールのように10~20%引きで処分したという経験も少なくありません。

これまで、多くのデベロッパーは定価で完売することを目標にして来たと言って過言ではありません。言いかえれば、価格を下げることはあっても上げることはなかったのです。

売れ残って仕方なく下げる場合も、先行契約者からのクレームに恐れつつ水面下で実施して来ました。過去に訴訟に発展した経験を持つからです。歴史を辿ると、一度公表した価格の変更は定価販売した顧客の目を気にしながらの値下げだけでした。


ところが、最近は歴史上なかった値上げ販売、つまり特定物件の販売途上で値上げするという、買い手から見たら暴挙に出ているのです。

といっても、価格は売り手の内部だけの秘密にしておき、販売状況を睨みながら強気に上方修正しているということです。  第1期、第2期というふうに分割して販売する戦略が定着し、第1期販売で予想以上に好評であったというとき、第2期では値上げに踏み切るという事例が大手デベロッパーを中心に増えています。 過去には見られなかった流行です。

次のようなお便りを頂きました。

「マンションギャラリーへ行く度に、第1期の販売部屋数が減っただの、予定価格が上昇だの、最上階は人気が高いので抽選ですと、条件が後になるほど厳しくなって行き、挙句、こちらの希望した部屋は第1期で販売されず、2期以降になると言われ、同時に2期以降は本社が価格を上げることを決定しましたと言われビックリしてしまいました」

別のお便りでは、「同じ面積・同じタイプの部屋が3階は5200万円なのに、11階は1200万円も高い6400万円なのです。11階は眺望が良いとは思いますが、1200万円もの付加価値があるとはどうしても思えないのです。これっておかしくないですか」というお尋ねもありました。

次期販売の価格は担当営業マンに聞けば「〇〇万円の予定ですが、変わるかもしれません」か「〇〇万円前後です」などと教えてくれます。しかし、建前上「未定」としています。下がる分には問題ないが、上げれば顧客心理は怒りに向かうことを知っているからです。

デベロッパーにとって、値上げは千載一遇のチャンスなのかもしれませんが、それにしてもやりすぎの感を覚えます。

「未定」としておいて、分割販売の中途から価格を上方修正して利益を増やす目論見に、どこかおかしいと感じるのは筆者だけなのでしょうか?

筆者の違和感は、もしかすると過去になかった慣習が変わったことから来るものなのだろうかと、自問自答していますが、そうではないような感じもします。

本来、企業は良いものを安く提供することに社会的使命や存在意義があるのではないか。そんな考えは「青い」感情論に過ぎないのかもしれません。

「価値あるものは高い値段で販売する」それが企業論理として正しいとする向きがあることも筆者は知っています。

しかし、マンションの場合は買い手の足元を見て価格を吊り上げている(買い手の顔色を見て値段を決めている)に過ぎないのではないか。これは節操の問題ではないか? 筆者はそんなふうにも思うのです。


この話は人気の高い少数の物件に限ってのことかもしれませんが、値上げするぞと言われたとき、あなたはどう思われるでしょうか?

値上げ前に希望住戸を変更しても購入を決断なさいますか? それでも買える保証はないかもしれません。そうしたスタンスの売り方を批判しても、価値あるマンションであることには変わりないと言えるのでしょうか? 

グレード、スペック、立地条件など、どれも価値あるものであることは間違いないのでしょう。ただ、価格は価値以上に高いはずです。

価値あるものを安く買ってこそ賢い買い物になりますが、反対の買い物は後悔につながることになるかもしれません。おそらく優良な物件なので将来価値に期待して買う人も多いはずです。

しかし、高値で買ってしまえば、いざ売ろうと考えて査定してもらったら全くの期待はずれであったということになるものです。

それでも貴方は買いますか? モデルルームの来場者の多さ、混雑するマンションギャラリー、マンションパビリオンの熱気に我を忘れていませんか? 確かに稀少価値の高い物件かもしれませんが、他にも選択肢はあるのでは? ここは冷静に判断したいところです。



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2015年の新築マンション市場を総括する

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●供給戸数

不動産経済研究所は2016年1月19日、新築マンション首都圏(1都3県)の2015年1年間の販売実績をプレス発表しました。

それによると、発売戸数は40,449戸と前年比10.0%の大幅減少となったようです。ピークは15年前の95,635戸だったので、6割近い少ない水準に落ち込んだ格好です。

ただし、最近5年間を見ると、2011年:44,499戸、2012年:45,602戸、2013年:56,478戸、2014年:44,913戸と、2013年を除いて40,000戸台で推移しているのです。

ピークは2000年でしたが、その後の数年間も85,000戸 前後の新規供給が行なわれていましたから、最近は半減状態が続いていることになります。

●価格の急騰

新築マンションが、それだけ需要が大幅に減退した原因はどこにあるのでしょうか?あるいは、需要があっても単に供給ができなかっただけなのか? としたら何故?  詳しい分析は改めてご紹介するつもりですが、ひとつの解は価格の上昇にありそうです。

不動産経済研究所のデータに戻りますが、昨年の価格(専有面積3.3㎡当たりの単価=坪単価)は、首都圏全体で@257.1万円になったと発表しています。これは、2014年比で9.6%も上昇しています。

ブロック別にも、23区が@325.7万円と前年比13%アップ、東京市部が@204.9万円(前年比9.6%アップ)、神奈川県が@227.7万円(同、13.1%アップ)、埼玉県が@190.7万円(同、6.2%アップ)、千葉県が@169.6万円(同、2.8%)となっており、全域で値上がりしました。

2008年に起きた世界金融危機(リーマンショック)による100年に一度の世界同時不況は、マンションの売れ行きにも影響を与え、その後の価格低下につながったとされましたが、筆者の分析では、2005年~2008年にかけて価格が急騰し、売れ行きの悪化をきたしていたので値下がりは必然だったということになるのです。

しかし、価格の下落が顕著だったのは23区だけで、他のブロックではさほどの下落は起きませんでした。「山高ければ谷深し」ではないのですが、値上がりカーブが大きかった都心が下落率も大きかったのです。

とはいえ、都心の下落も2004年(@221万円)以前に戻るようなことはなく、価格のピーク2007年~2008年の@280万円から2012年には早くも底を打ち、@264万円で止まってしまったのです。

そして、その後の再上昇は、2013年@285万円、2014年@288万円、2015年にはとうとう300万円越えの@325万円となりました。2012年比では、3年間で何と23%も上昇してしまいました。

念のため首都圏全体も検証しておきますが、ピークは2010年の@219万円、底が2012年の@213万円、2013年は@230万円、2014年@235万円、2015年 @257万円、2012年比で20.6%上昇と、23区だけの数値より緩やかながら同じトレンドを見せています。2008~2009年のピーク時@210万円前後からの上昇率も22%となっています。

新築価格の高騰は、中古マンションにも影響を与えています。つまり、中古もじりじりと値上がりを続けているのです。地域ごとに見ると、新築のようにどこもかしこもということでなく「まだら模様」という印象ですが、都心ほど値上り率が大と言えそうです。


●売れ行きに暗雲

価格上昇はリーマンショック前の様相に似て来ました。そのことは、前にも「暗雲垂れ込める」のタイトルで本ブログに書きましたが
、売れ行き悪化の兆候を見せるようになって来たからです。

不動産経済研究所は「10月に発覚した横浜の傾斜マンション事件」の影響は軽微だったと解説していますが、月間契約率は9月以降、明らかに低下傾向を見せているのです。

9月以降、11月を除き、好調不調の分岐点と言われる70%を割り込んでいます。1~8月は一度も70%以下になることはなかったのですから、様変わりというほかありません。


価格が上がっても販売に影響は出ていないと強気に語る物件もある一方、値引き販売を余儀なくされている物件もあります。販売が二極化しているという意見を言う業界人もありますが、ひどい販売不振に陥っている物件はまだ少数です。

今後マンション市場はどのように推移して行くか、注視して行かなければなりませんが、価格の低下を金利の低下が吸収する側面もあるので、急速な販売不振マンションが続出することはないかもしれません。

付け加えると、新築の供給戸数が少ない状態が「品薄感」をもたらし続け、少ない中から購入候補物件を見つけたとき、買い手を大いに慌てさせる局面も出て来るのかもしれません。

品薄感は、勢い中古マンションも選択肢に加えざるを得ないと考える買い手をいっそう増やすことでしょう。


●品質の低下・バス便マンションも

新築マンションは、大手でさえもスペックを下げてコストカットに懸命な状況にあります。これ以上上がったら危険だと思っているのでしょう。少なくとも、都心の有名アドレスの物件以外は価格抑制に知恵を絞るっている様子も透けて見えるのです。

中古マンションの市場では、個人売主が強気に価格を設定して売り出す例が増えています。

都心の特定マンションは「ミニバブル」的な状況を見せ、他方では売れ残りマンション、あるいは品数が少ないためもあって、徒歩圏より価格の安い「バス便マンション」に人気が集まる傾向も見えます。


2015年1年間のマンション市場は年初に予想したように推移しましたが、思わぬ事態が起きたのは「横浜市の傾斜マンション事件」でした。10月下旬のことでした。しかし、その影響は筆者の予想より早く終息してしまった感もあります。

こうした新築・中古のマンション市場を鑑みるに、2016年のマンション選びはますます難しいなあと思わざるを得ないのです。


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※「買ってよかった」を再確認したい方もどうぞ。物件サイトが閉鎖されている場合は、建築概要・住戸専有面積・階・向き・価格・管理費・修繕積立金などの情報をご提供いただきます。

※中古物件の場合は、物件の掲載WEBサイトのURLをご記入ください。

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中古マンション購入後のまさかの支出に注意


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中古マンション購入の際にすぐ気にかかる問題は、古い設備機器の故障です。
もうひとつは、管理費や修繕積立金の値上がりです。

今日は、この二大不安についてお話ししましょう。

●設備機器の瑕疵担保責任

先ず、設備機器の故障に関してですが、中古住宅の売主は新築と違い多くが個人なので瑕疵担保責任は免責されるのが普通です。

中古住宅の取引は、一般に現状有姿(ゆうし)の取引のため、瑕疵担保は免責されると契約書に明記されます。

現状有姿(ゆうし)の取引とは、物件は現状のままで引渡すという意味で、排水、柱、など見えない所の不具合があっても責任は無いというわけです。取引後に不具合・傷等を発見しても売主は責任を負わないのです。

そういうリスクがある旨を契約前の段階で説明しているので、上記リスクが顕在化したとしても、売主には責任はないという意味になるのです。

個人売主には、不動産を売ってしまった後で長期間にわたり、契約解除も含めた担保責任を負わなければならないというのは事実上無理だからです。

そこで、責任範囲はガスや電気機器などまでと明記した契約が一般的です。この場合でも、個人間の場合は引渡し後3ヶ月以内を限度とする取り決めが多いようです。

最近は、売主に代わって仲介業者が責任を負うケースが増えています。「売却は当社にお任せ下さい」と言ったところで、売却依頼者を多数確保することは難しいので、同業者との差別化策として「後のトラブルが及ばないシステムを持つ当社へ」とアピールしているわけです。


野村不動産傘下の野村アーバンネット社は「ホンキの補修保証サービス」と銘打って2015年から新サービスを展開しています。「ホンキの補修保証」は、売買対象の中古住宅について、あらかじめ建物検査、住宅設備機器の検査を行い、同社負担にて補修・保証を行うサービスとなっています。

東急リバブル社も野村不動産アーバンネット社と類似のサービスを展開中ですが、いずれもいくつかの条件付きで5年間の保証を買い手に付けています。

2社のほかにも、三井不動産、大和ハウス工業、大京、東京建物、などの傘下にある仲介業者各社は、住宅設備機器の3~6か月保証を実施しており、拡大する傾向が窺えます。

 保証内容に差はあっても、買い手を安心させ、かつ個人売主に責任が及ばないサービスが誕生したことは、中古売買の活性化を促進するという意味で歓迎すべきことと言えましょう。



●管理費・修繕積立金の値上げ

 しかし、もうひとつの問題である「管理費等の値上がり」については、誰も保証をしてくれない中古マンション購入の盲点になっているのかもしれません。

中古マンションを購入してから1年も経たないうちに、修繕積立金の不足分を一時金として徴収するという管理組合決議に運悪く遭遇するかもしれないからです。

管理費の値上げも起こり得ることですが、物価上昇(電気代、人件費、機械の保守点検料などの日常経費の増額)によるものなので、家計を圧迫するほどの値上がりはないと見てよいでしょう。

ただし、管理組合が銀行から借入を行い、その返済を毎月の管理費にONするといったイレギュラーな決議をした場合は別です。

管理組合の借金とは何でしょう。それは次で説明する修繕費の不足を賄うためです。

修繕積立金は資産価値を維持して行くために不可欠な貯金と分かっていても、当初の計画がずさんであったり、販売上の都合で故意に低く抑えられていたりし、必要な時期に必要な貯蓄残高を満たしていないことがあります。これは、古いマンションほど多いことが分かっています。

積立金が不足すれば、必要な大規模修繕の着手が遅れ、建物の劣化が進んでしまいます。修繕が遅れると、修繕費は適切な時期に行った場合に比べて大幅に増額したりもするのです。

管理組合では、不足額を一時的に銀行からの調達で賄うという方法と、一時金徴収という方法などを協議します。

この問題は簡単に決まりません。一時金でとりあえず間に合わせたとしても、大規模修繕は周期的に必要なものなので、次回分をどうするかという課題も残ります。

長期修繕計画を立案し、初期は毎月5000円でも、5~10年ごとに1.5~2倍ずつ上げて各支出時期にマイナスが生じないような積立金額を設定するのが新築では当たり前になっていますが、中古マンションでは長期修繕計画それ自体が存在しない管理組合もあるのです。

計画があっても、修繕の対象範囲を絞り込んでいるため資産価値の維持にどれだけ効果があるのか、建物劣化をどの範囲まで食い止めることができるのか甚だ疑問と思われる例も少なくないのが実態なのです。

そんな問題物件で、管理組合の役員が解決のために奮闘するというケースがあります。その結果、修繕積立金の増額と一時金徴収決議に至るのです。

この決議は、組合員個々の所有年数が勘案されることはありません。貴方は新築当初から住んでいるから30万円、貴方は最近越して来たから3万円などとはならないのです。

うまく説明できないのですが、区分所有法(マンション法)では、1階住民はエレベーターを使用しないからといって管理費が安いことはないのと同じようなものかもしれません。

積立金の増額や一時金徴収が、自分の住むマンションのメンテナンス、すなわち資産価値の維持に必須としても、購入したばかりの新住民にしてみれば、何となく割切れないものが残るのではないかと思います。

新築購入の場合、契約前に「修繕積立基金」として50万円なり100万円なりをご用意いただきますと説明され、それが購入の条件であるとあらかじめ承知しているわけですが、中古売買では協議中の段階にある場合と長期修繕計画書に明記された「増額予定金額・一時徴収予定時期と金額」以外は説明されません。

おそらく、仲介業者に尋ねても明確な回答は得られないはずです。

マンションの分譲が開始されてから50年を超えて来た現在、マンションの老朽化は社会問題になりつつあります。簡単に建て替えができないこともあって、長く住んで行けるマンションつくりと長く快適に住むための維持管理の課題に取り組むことが焦眉の急と言われるようになって来ました。

この意識変化が、修繕計画の立案と財政的な裏付けを要求する背景になっているのです。新築はあらかじめセットされていますが、中古はあっても不十分と思っておいた方がよいのかもしれません。

中古マンションを購入する場合は、新築のように契約時に支払うことがない代わり、後日の支払いがあるかもしれないと。


●修繕計画書の確認は必須

中古マンションの購入の際には、誰も保証してくれない「修繕費の一時金支払い」というリスクがあると覚悟して購入するとして、可能な限り事前に予定したい心理が働くことでしょう。 そこで、最低限のチェック事項をご紹介しておきましょう。

先ずは「長期修繕計画書」の有無を確認しましょう。

計画書は管理会社が提案という形で作成したもので、その通りに実行するかどうかは管理組合が決めることですが、望ましいものか、最低限度の計画かは別としても、専門家が策定したものがあれば、概ねいつからいくらに増え、またはいつ頃いくらの一時金徴収があるかを知ることができるからです。

中古マンションの売買の世界では、「管理に関する重要事項説明書」なる書類が出て来ます。

これは管理会社から買主に提示されるもので、仲介業者が手配します。

そこには、管理費等の滞納明細や大規模修繕の履歴(大項目のみ)と修繕積立金の残高が記載されていますが、長期修繕計画の細部はありません。管理組合で決議されていなければ「増額予定」も「一時金徴収予定」も掲載されていないのが普通です。

従って、必ず「長期修繕計画書」のコピーを下さいと仲介業者に依頼することが大事になります。


また、管理組合議事録も可能な限り事前に目を通しておきたいものですが、この件は次の機会にお話しします。


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